teacup. [ 掲示板 ] [ 掲示板作成 ] [ 有料掲示板 ] [ ブログ ]

 <思いやりのあるコミュニティ宣言>
 teacup.掲示板は、皆様の権利を守りながら、思いやり、温かみのあるコミュニティづくりを応援します。
 いつもご協力いただきありがとうございます。

 投稿者
  題名
  内容 入力補助画像・ファイル<IMG> youtubeの<IFRAME>タグが利用可能です。(詳細)
    
 URL
[ ケータイで使う ] [ BBSティッカー ] [ 書込み通知 ] [ 検索 ]


<一筆投稿その39>「ワーグナー、その人、その音楽、・・・」③

 投稿者:baritono / wai  投稿日:2020年11月29日(日)21時02分14秒
返信・引用
  ■『ニーベルングの指輪』四部作■(上演時間:4夜約15時間)

  ワーグナーが26年の歳月をかけて創りあげたオペラ史上最大級の作品。台本もドイツの叙事詩『ニーベルンゲンの歌』や北欧神話を題材にワーグナー自身が手がけている。

  四部作の内訳は、序夜『ラインの黄金』(約2時間40分)、第1日『ワルキューレ』(約3時間50分)、第2日『ジークフリート』(約4時間)、第3日『神々の黄昏』(約4時間30分)で構成されている。


■物語の内容

  物語のスケールと領域は叙事詩である。全世界の支配を可能とする魔法の指輪をめぐる、神、英雄、神話上のいくつかの生物の戦いの物語で神々の黄昏、天空の城ヴァルハラの炎上、地上のラインの洪水まで、ドラマと陰謀は、ヴォータンの支配する天上の神々の世界で、地上の人間界の世界で、地下のニーベルング族の住むニーベルハイムで、3世代にわたって続き、最後に神々の世界の灰から真の愛がよみがえる。(ウィキペディア)


■四部作全曲の初演

『ラインの黄金』と『ワルキューレ』の二つが先行上演していたが、ようやく、1876年8月13日、第1回バイロイト音楽祭にてハンス・リヒター指揮により、ルートヴィヒ2世、ドイツ皇帝ヴィルヘルム1世、ブラジル皇帝ペドロ2世、さらにリスト、ブルックナー、チャイコフスキーらの音楽家などの観衆を集めて上演されている。

 わが国では、『ワルキューレ』が大阪で先行初演していたが、全曲まとめての初演となると、1987年に来日公演を行ったヘスス・ロペス=コボス指揮・ベルリン・ドイツ・オペラによる上演となる。なお1984年から1987年にかけて1年1作ペースで行われた朝比奈隆指揮・新日本フィルハーモニー交響楽団などによるオール日本人キャストによる演奏会形式での上演を初演と見なす向きもあるとか。


■特に、『ワルキューレ』について■

  なかでも『ワルキューレ』については、筆者のお気に入りの作品のゆえ枝葉的なエピソードも入れて、少し詳しく紹介させてもらう。

◆ワルキューレとは

  ワルキューレとは、神々の長ヴォータンが神々族の世界支配を維持するために知恵と予言の女神エルダとの間に生まれた9人の娘のことで、全員勇敢な女騎士であり、天馬に乗って空を駆ける。
  戦場においては死を定めて勝敗を決める存在で、彼女たちには戦死した勇士をヴァルハラ城(天上)へ運ぶ役割を持たされている。


◆≪第3幕のあらすじ≫(モバイル音楽辞典より)

・・・岩山の頂上・・・

<第1場>
 8人のワルキューレたちが天を駆ける馬に乗って「ホ・ヨ・ト・ホー」と声を上げ、次々と集まってくる。(「ワルキューレの騎行」の音楽)
  やがて姉のブリュンヒルデがジークリンデを連れ、愛馬グラーネに乗って凄い勢いで飛び込んできて、妹たちに助けを求める。夫である兄ジークムントを失って絶望したジークリンデは自分を殺してほしいと言うが、ブリュンヒルデから自分がジークムントの子供を宿していることを聞くと、とたんに生きる希望が湧いてくる。
  ブリュンヒルデが、やがて生まれてくる子供をジークフリートと名づけると、ジークリンデは愛の奇蹟※を讃え(壮大な「愛の救済の動機」)、夫の形見である剣ノートゥングの破片を持って森の奥地へと逃れる。
 ※奇蹟:神の力によって起きた不思議な出来事

<第2場>
  ヴォータンが大変な剣幕で登場。うろたえるワルキューレたちを追い払い、ブリュンヒルデに罰を与えると宣告する。

<第3場>
  ブリュンヒルデは、自分が命令に背いたのは父ヴォータンの本心を知っていたからだと訴えるので、ヴォータンも次第に心を動かされてくる。
  神々の長ヴォータンは、愛娘ブリュンヒルデをヴァルハル城から追放し、神性を奪って無防備なまま眠らせ、彼女を行きずりの男のものにすると言うが、ブリュンヒルデの願いを聴き入れて、眠る彼女のまわりに火を放ち、臆病者は近づけないようにすることを承知する(ここから〈ヴォータンの告別と魔の炎の音楽〉。
「さらば、勇ましく、すばらしいわが子よ!」と、ヴォータンはブリュンヒルデを抱きしめ、彼女の眼に接吻して眠らせる。そして火の神ローゲを呼び出し、彼女のまわりを炎で囲ませる。「わが槍の切っ先を恐れる者は、けっしてこの炎を踏み越えるな」という言葉を残してヴォータンは退場する。(幕)


***筆者の愛聴盤

  バレンボイム/バイロイト祝祭劇場o./1992年バイロイト祝祭劇場(TELDEC)

 バレンボイムのこの年のバイロイトでは、第3幕で片桐仁美さん※がワルキューレの一人シュヴェルトライデ役で出演されている。


◆片桐仁美さんのこと

 今更紹介するまでもないが和歌山市出身の世界的なメゾソプラノ歌手。大阪音楽大学卒業後ウィーン国立音楽大学リート・オラトリオ科と発声科をどちらも最優秀で卒業。ジュネーブ大劇場、ハンブルク国立劇場、モンテカルロ歌劇場、ブリュッセル・モネ劇場、サンチャゴ歌劇場など世界の大劇場、有名レーベルのレコーディング、世界各地のテレビ・ラジオにも出演。1997年に帰国後、活動の場を日本に移し、オペラやコンサートに数多く出演している。現在、沖縄県立芸術大学教授。
  なお、ワーグナー作品では、1993年に「ニーベルンゲンの指輪」(『ラインの黄金』『ジークフリート』)のエルダ役※でニューヨークのメトロポリタン歌劇場(指揮:レヴァイン)に出演している。
  ※エルダ:知恵の女神/ヴォータン(神々の長)とエルダの娘がブリュンヒルデ


≪「ワルキューレの騎行」に関して、余計な一言≫

  この「ワルキューレの騎行」は映画「地獄の黙示録」で使われているが、あくまで筆者の感じるところを率直に言わせてもらえば、“不愉快千万この上ない” である。
 その使われ方というのは、皆さんもご承知のとおり、武装したアメリカ軍のUH-1ヘリコプターが「ワルキューレの騎行」を大音量で鳴らしながら、南ベトナム解放民族戦線の拠点であるベトナムの村落を襲撃する場面である。監督のコッポラさんは、容赦なく死者を増やしていく攻撃用ヘリコプターをワルキューレの乗る天馬に見立て、20世紀の戦場における死神として描いているのだろうが。


***サー・ゲオルク・ショルティの名演奏でどうぞ。
『ワルキューレ』 第3幕(全曲)ショルティ/ウィーンpo.(1965)
  https://www.youtube.com/watch?v=wupuXlaqvz0


***「楽劇『ニーベルングの指輪』」としての筆者の愛聴盤

  ・「楽劇《ニーベルングの指輪》(抜粋)」 カラヤン/ベルリンpo.(1966~68)G
  ・「楽劇《ニーベルングの指輪》ハイライツ」 ベーム/バイロイト祝祭o.(1967)Decca
  ・「ニーベルングの指輪 管弦楽曲集」 マゼール/ベルリンpo.(1987)TELARC

  なかでも、第3日『神々の黄昏』の「ジークフリートの葬送行進曲」が筆者の胸に“グッ”と迫ってくる。以下の音源の演奏が筆者のお気に入り。

  ・フルトヴェングラー/ウィーンpo.(1954)EMI
  ・クナッパーツブッシュ/ウィーンpo.(1956)Decca
  ・チェリビダッケ/ミュンヘンpo.(1993)EMI


<つづく>
 
 

<一筆投稿その38>「ワーグナー、その人、その音楽、・・・」②

 投稿者:baritono / wai  投稿日:2020年11月18日(水)20時28分57秒
返信・引用
  ■歌劇『タンホイザー』■(上演時間:約2時間50分)

  最もわかりやすいワーグナーの歌劇。正式名称は『タンホイザーとヴァルトブルクの歌合戦』。全3幕で構成されている。
 タンホイザーというのは中世の騎士。ちなみに歌合戦のテーマは「愛」。

  ワーグナーのオペラは19世紀末のパリで世界に先駆けて一大ブームを起こしており、1845年にオペラ座で『タンホイザー』が上演されると、そのエロスに満ち満ちた愛憎の世界にパリの人々は熱狂したとか。

  それにしても第1幕の序曲が演奏される間の30分、演出にもよるが、官能と肉欲の世界をもろに描いており、とにかくエロい。

  その場面はこうです。

  時代は13世紀初頭、舞台はドイツの森に囲まれたチューリンゲン。騎士であり吟遊詩人であるタンホイザーは、禁断の地とされていたヴェーヌスベルクで、愛の女神ヴェーヌス(ヴィーナス)と官能のひとときをむさぼっていた。・・・

***序曲はあまりにも有名。カラヤンの来日記念演奏でどうぞ。
  カラヤン/ベルリンpo.来日公演(1973)NHKホール
  https://www.youtube.com/watch?v=fUv8vi0BBQ8


☆☆☆ちょっと横道に・・・

  あの元総理大臣の小泉純一郎さん、大のオペラファンであることがよく知られている。純一郎さん曰く「タンホイザーの序曲が流れてくると、自然に涙が出てくる」とのこと。
  公務でドイツを訪問した折、当時のシュレーダー首相に招待され、バイロイト音楽祭でワーグナーのオペラ『タンホイザー』を鑑賞しており、鑑賞後、孫のウォルフガング・ワーグナー夫妻が催した劇場のレストランでの夕食会に出席し、興奮からか「とめどなくしゃべり続けた」ようです。終了後には、記者団に「感動した」「忘れられない夜になった」と語ったそうです。


◆「歌劇『タンホイザー』より」(慶応ワグネル)

***聴き応え大有り。是非聴いてください。

  とりわけ、現役・OB・高校生ワグネル合同で歌う「大行進曲」には圧倒される。「巡礼の合唱」は実に荘厳。

  演奏曲目…殿堂のアリア/大行進曲/巡礼の合唱/エリザベートの祈り/夕星の歌/フィナーレ

  慶応ワグネル/第142回定期演奏会2017.11.11/指揮:佐藤正浩/独唱:小川里美Sp.、谷口 伸Bri./賛助出演:ワグネル・ソサィエティー・OBオーケストラ/慶応ワグネルOB、慶應義塾志木高等学校ワグネル
  https://www.youtube.com/watch?v=0sDb9WcjYHw


【ソリスト紹介】

・小川里美:国際的なオペラ歌手。2009年トゥーランドット国際コンクール優勝者。高い音楽性と抒情的な声は国内外のマエストロから信頼されている。藤原歌劇団団員。1999年のミス・ユニバース日本代表としても知られる。

・谷口伸:慶応ワグネル出身のバリトン歌手。数年のサラリーマン生活の後、声楽家としての道を歩み始め、シューベルト国際歌曲コンクール第2位、イタリア声楽コンコルソ金賞など、主要なコンクールで数々の賞を受賞している。 さらには2002年ウィーン国立音楽大学リート・オラトリオ科を最優秀で卒業。2004年、北イタリア、メランにおいて"デビュー・イン・メラン"国際声楽コンクール総合優勝。現在ドイツ・プラウエン-ツヴィッカウ市立劇場でソリストとして活躍している。


■楽劇『トリスタンとイゾルデ』■(上演時間:約4時間)

  この楽劇を創っている頃、実はご自身、不倫の真っ最中。どうもこれが作品に影響したとも言われている。もちろん、この作品も官能的な愛が表現されている。
  まあ、延々4時間ものあいだ男女の主人公二名の性愛だけを純化して取り上げたオペラというのはこれだけかもしれない。

  この楽劇は、中世ヨーロッパの最大の恋愛物語である『トリスタンとイズー物語』を題材とし、それをワーグナーは、大幅に改編、登場人物3人(トリスタンとイゾルデそしてマルケ王)の心理描写に絞って前代未聞のオペラに仕立て上げたと言われている。

  哲学者ニーチェ曰く「『トリスタンとイゾルデ』ほど、危険な魅力を持ち、戦慄的で甘美な無限性を具えた作品は、芸術の全領域を探しても見つからない」と述べ、著書『この人を見よ』の中で、「この曲の最初の一音はダ・ヴィンチのどんな芸術の魔力をも失わせてしまう」と述べている。


≪第1幕のあらすじ≫

  時は伝説上の中世。舞台はイングランド西南部のコーンウォール。
  アイルランドの王女イゾルデは、コーンウォールを治めるマルケ王に嫁ぐため、王の甥であり忠臣であるトリスタン(コーンウォールの騎士)に護衛されて航海していた。
  かつてトリスタンは、戦場でイゾルデの婚約者を討ち、そのとき自らも傷を負ったものの、名前を偽りイゾルデに介抱してもらったことがあった。このときイゾルデは、トリスタンが婚約者の仇だとすぐ気がついたが、そのときにはすでに恋に落ちていた。
  イゾルデは、自分を王の妻とするために先導するトリスタンに対して、激しい憤りを感じている。彼女は一緒に毒薬を飲むことをトリスタンに迫る。しかし、毒薬の用意をイゾルデに命じられた侍女ブランゲーネが、毒薬のかわりに用意したのは「愛の薬」だった。そのため、船がコーンウォールの港に到着する頃、トリスタンとイゾルデは強烈な愛に陥っていた。


◆第一幕への前奏曲

「第一幕への前奏曲」は、その道の専門家が言うには、冒頭にでてくる不協和音※は悲劇を暗示しており、別名「トリスタン和音」と呼ばれ、その響きは音楽史の中でターニングポイントとなったとのこと。物語の中では「愛への憧憬」のモティーフとされている。

  ※不協和音は<F-H-DIS-GIS>(F-B-D-G)の4つの音から構成されている。

  また、この捉えどころのない不安定な和音は、トリスタンとイゾルデの決して成就されない愛を表しており、さらには、この和音は現世ではない黄泉の国を思わせ、二人の世界があるならばそれは他ならぬ死の後の世界であることを感じさせる、これが官能的に響くらしい。筆者にはなかなか理解し難いところ。

***バレンボイム/シカゴso(1993)で聴いてみてください。
  前奏曲:00:03~ 愛の死:10:49~
  https://www.youtube.com/watch?v=DInhrV7vKRw

***筆者は≪管弦楽曲集≫カラヤン/ベルリンpo.(1974)EMIで良く聴いている。


■楽劇『ニュールンベルクのマイスタージンガー』■(上演時間:約4時間30分)

  長大な作品ではあるが、ワーグナーの歌劇・楽劇の中では比較的親しみやすい作品として知られている。
《ニーベルングの指環》に代表されるワーグナーの舞台作品は、初期のものを除くと神話や伝説の世界をテーマにしたものばかりだが、この《マイスタージンガー》に関しては、16世紀中盤のニュールンベルクを舞台に実在の人物ハンス・ザックスを中心に描かれたワーグナーの唯一の喜劇であること、そして歌合戦がテーマで人情味があること、により多くの人に共感を抱かせた。

***舞台は16世紀中頃のドイツ・ニュルンベルク。
  靴屋の親方であるハンス・ザックスが、この町にやってきた騎士ヴァルターと隣家の娘エーファが恋仲であることを知り、歌合戦でヴァルターを勝たせることでふたりの仲を取り持つ、という心温かな人情味の溢れるストーリー。

  この作品は、マイスタージンガーであるハンス・ザックスを主人公とした物語で、台本は史実に忠実ではなくワーグナーのオリジナル。

  ハンス・ザックスはマイスタージンガーの代表的な存在で、16世紀のニュルンベルクに実在しており職業は靴屋の親方。ちなみにザックスは生涯に4,374篇のマイスター歌、約2,000の祝詞歌(Spruch)など多くの作品を発表している。


◆「マイスタージンガー(Meistersinger)」とは

「マイスタージンガー」とは、15~16世紀に活躍したドイツの詩人兼音楽家のことで、名歌手という意味をもっている。つまり「親方、名人(Meister)」と「歌手(Singer)」が組み合わさった言葉。
  彼らの文化はニュルンベルクをはじめとする南ドイツで発展し、手工業者の親方や職人、弟子たちが詩と歌の腕を磨き合っていたようだ。また、彼らは手工業職人であることが多く、親方・職人・徒弟という本職での階級が、歌手としての階級にそのまま反映されていたらしい。
  楽劇『ニュールンベルクのマイスタージンガー』では全部で12人の職匠歌人、すなわち「マイスタージンガー」が登場している。


***第一幕への前奏曲はあまりにも有名。シノーポリでお聴きください。
  シノーポリ/ドレスデン国立歌劇場o./サントリーホール(1998)
  https://www.youtube.com/watch?v=MYXFp5O75Ow

***『ニュルンベルクのマイスタージンガー』より(慶応ワグネル)
  慶応ワグネル/第100回定期演奏会1975.12.14/指揮:畑中良輔/ピアノ:三浦洋一・久邇之宣/独唱:笠井幹夫
演奏曲目…開幕のコラール/組合連中の入場行進/ザックスへの挨拶/ヴァルターの優勝歌/終幕の合唱
  https://www.youtube.com/watch?v=a80qXdYlZf8


<つづく>
 

<一筆投稿その37>「ワーグナー、その人、その音楽、・・・」①

 投稿者:baritono / wai  投稿日:2020年11月 6日(金)16時13分37秒
返信・引用
   今回の<一筆投稿>は、結構長文になりましたので、何回かに分けて連載させてもらいます。興味のある方はご一読いただければまことに幸いです。


■■はじめに■■

“ ワー  グ  ナー ”、良い響きです。もちろん名前だけではありません。メロディはもちろんのこと、オーケストレーションが凄いのです。「歌劇『タンホイザー』」の序曲を聴けば一目瞭然ですが、その重厚さが荘厳さに繋がっていくので、なんともたまらない。そこにワーグナー音楽の神髄があるのだろう、と思ったりする。

  と、出だしからいきなり肝の部分に触れてしまった。

  ハナシを戻して前置きから始めさせてもらいます。
 当初、本文は「ワーグナーとその音楽」というタイトルでワーグナーの代表的な歌劇・楽劇と、その中にでてくる合唱曲をなるべく簡単・簡潔に紹介しようと考えていたのですが、いろいろ調べていくと人間ワーグナーが面白過ぎるのでそれだけでは済まなくなったのです。なので、書き始めるとあれもこれもと筆者のいつも悪い癖がでてしまい結構な文量になってしまった。ということで、タイトルも「ワーグナー、その人、その音楽、・・・」という名称に変更した次第です。


■■リヒャルト・ワーグナー■■

  ヴィルヘルム・リヒャルト・ワーグナー(Wilhelm Richard Wagner) 1813.5.22~1883.5.22

  19世紀のドイツの作曲家、指揮者でもあり思想家でもある。
  ロマン派歌劇の頂点であり、また「楽劇王」の別名で知られる。ほとんどが自作歌劇で台本を単独執筆し、理論家、文筆家としても知られ、音楽界だけでなく19世紀後半のヨーロッパに広く影響を及ぼした中心的文化人の一人でもある。(ウィキペディア)

  ジョルジュ・ビゼーは、ワーグナーの世界は官能、愛、優しさに満ち溢れていると評し、ロマン・ロランは、文学、哲学、絵画全ての基準はワーグナーにあると称賛している。


■ワーグナーの魔力

  筆者はワーグナーの音楽を年に何回か無性に聴きたくなるときがある。
  ちなみに、好きなベートーベンの「第九」ですら、年末に指揮者違いのCDを2,3枚聴く程度で、マーラーなども好みだが少々重たいので気が向かないとディスクに手が届かない。交響曲のジャンルでは、たとえばブラームス、シューベルトなどは、「この前いつ聴いたのかなあ・・・?」、という程度。それに比べるとワーグナーは聴く頻度がかなり高い。

“なぜか!?”ワーグナー好きは、よく「ワーグナーの音楽には“魔力”がある」と言う。実際それ以外の理由は見当たらない。またワーグナー音楽を“麻薬”だとも言う。おっしゃるとおり。だから、ときどき、ただただ無性に聴きたくなる。要するに、“禁断症状”みたいなものです。

  ということで、筆者は結構思い入れのある“ワグネリアン” だと勝手に思っている。
  いささか的外れなたとえになるが、一番好きな男声合唱団(グリークラブ)は、と聞かれたら、躊躇わず慶應義塾ワグネル・ソサィエティー男声合唱団(以下慶応ワグネルと略す)と答える。理由は単純。“ワグネル”だから!??


■ワグネリアンとは

“ワグネリアン”とは、言うまでもなくドイツの作曲家リヒャルト・ワーグナーの音楽に心酔している熱狂的なワーグナー・ファンです。その音楽は非常に癖があり、アクが強い。しかし、いったん好きになってしまうと、それが快感に変わり、聴かずには居られなくなる。そうなると、立派な“ワグネリアン”。考えようによっては極めて“危ない音楽”かもしれない。

  ワーグナーの歌劇・楽劇はかなり長大なため、“よーし、聴くぞ!”と気合いを入れなければ鑑賞できる代物ではない。筆者なんぞは、気合いを入れていても大体途中で寝てしまっている。鑑賞するのにはかなり手強い。
だから、結構思い入れのある“ワグネリアン”と自称するものの、あまり大きな声では言えないのです。

  という訳で、筆者は専らハイライト盤とかいわゆる管弦楽曲集としてまとめられているCDを好んで聴いている。有名な歌劇・楽劇の全幕版は「ニーベルングの指輪」以外のCDはほとんど所持しているが、1,2回聴いただけでCDラックに眠っている。
 歌劇・楽劇は音楽・美術・演劇を駆使した総合芸術なので、本来はDVDで観るのが本来の鑑賞だと思うのだが・・・。

  なので、筆者の場合はワグネリアンの端っこにでもつけ加えてもらえるだけで十分だと思っている。


■ワーグナーの“官能的たる所以”(さわり)

  ワーグナーの作品は「官能的」とよく言われるがまさにそのとおり。

  ちなみにイタリア歌劇にせよワーグナーの楽劇にせよ、そのストーリーのほとんどは惚れた腫れたの世界。要するに極めて俗っぽい。なかでもワーグナーのは近親相姦みたいなストーリーもありで、ちょっと“エグい”ところもある。

  ところで、ワーグナーを官能的な愛の表現の名人と言う人がいるが、おそらくそれはワーグナーの不倫癖とか女性遍歴からきているのだろう。その女性遍歴は「不倫は文化」などといっていた御仁なんぞは足元にも及ばない。

  また、「官能的」と直接関係ないが、人格的に欠陥が大有りで自己顕示欲の塊だったとも言われている。その魂に含まれている言葉を並べてみると、唯我独尊、誇大妄想、ホラ吹き、借金まみれ、夜逃げ、踏み倒し、壮大なる浪費癖、王様をカモにして国家財政が危ないほどむしりまくる、女はかたっぱしから寝取る。何でもあり。そして何と言っても精力絶倫であったとか。いやはや、もはや病的と言われても仕方がない。

  と、ネガティブな面が多すぎるのだが、しかし、一旦その音楽の魔力に囚われると“ワグネリアン”にとってはそんなことはどうでも良くなる。

  清廉潔癖な御仁は、ドン・ファンで自己顕示欲の塊のようなオッサンの音楽なんかは聴きたくない、と思うかもしれないが、「とにかく一度聴いてみろ」です。とにかく音楽は素晴らしい!


■■ワーグナーの作品■■

  この辺りでワーグナーの『歌劇・楽劇』の有名どころを男声合唱曲も絡めて簡単に紹介しておく。


■歌劇『さまよえるオランダ人」■(上演時間:1幕形式の場合で約2時間30分)

  ワーグナーが20代後半の頃に作曲された初期を代表する作品。

  この歌劇は、中世ヨーロッパに伝わる幽霊船伝説(フライング・ダッチマン※)にもとづいて創られ、1841年にパリで完成し、1843年ドレスデンで初演されている。
 ちなみに、この作品の原語タイトルは「Der Fliegende Holländer」。英語タイトルでは「The Flying Dutchman」となっている。

  台本の大筋はハイネの小説によるものの、ワーグナー自身のアイデアも随所に見られ、当人が1839年夏にイギリスに渡る際、洋上で暴風雨に遭ったときの苦難の体験が、作品に大きく影響を与えているとも言われている。


※フライング・ダッチマンについて

  この名称の謂れは、オランダ人船長を"Flying Dutchman"とする説と、彼の船が『さまよえるオランダ船』とする説、また(呪いがかかる以前から)船の名前が『フライング・ダッチマン号』であったとする説がある。

  フライング・ダッチマン号は映画『パイレーツオブカリビアン』シリーズ2作目に幽霊船「フライング・ダッチマン号」として登場している。


≪あらすじ≫
  18世紀頃のノルウェー。嵐の日、幽霊船が港に入ってくる。
  船長のオランダ人は神を呪った罪で永遠に海上をさまよい、上陸は7年に一度しか許されない。
  オランダ人を救えるのは、彼に永遠の貞節を誓う女性だけ。
  オランダ人の肖像画に魅入られた船長ダーラントの娘ゼンタは、彼を救うのは自分だと直感する。とうとうゼンタは、本物のオランダ人と出会う。
  運命を感じ、見つめ合う二人。
  だがゼンタの婚約者を自認する漁師エリックは、彼女の「心変わり」をなじり…。


  序曲はまことにドラマチック。何かを予感させるような趣がある。


***とりあえず、「水夫の合唱と幽霊船の合唱」を慶応ワグネルで聴いてください。

  慶応ワグネル/第112回定期演奏会1987.12.13/指揮:畑中良輔/ピアノ:三浦洋一・佐藤正浩/独唱:瀬山泳子sp.
  https://www.youtube.com/watch?v=5_U9VrIuBuc


<つづく>
 

10/31練習報告

 投稿者:五十嵐  投稿日:2020年11月 1日(日)20時41分30秒
返信・引用
  8ヶ月ぶりの全体練習でした。

練習曲
①夜明けのうた
②昴
③こおろぎ(二度とない人生だから より)
④二度とない人生だから

次回はAグループの練習です。
(和歌山教会です。)

練習予定曲目:
男声合唱組曲『二度とない人生だから』より
「からっぽ・サラリ」
「つゆのごとくに」

タダタケ
「雪中の葬列」

時間に余裕ができれば、タダタケのその他の曲をなぞります。

※1/11の和歌山県合唱祭の曲目は、
11/14までに決定、発表します。
 

<一筆投稿その36>「男声合唱とピアノのための組曲『鎮魂の賦』」について

 投稿者:baritono / wai  投稿日:2020年10月18日(日)21時29分8秒
返信・引用
  作詞:林 望/作曲:上田真樹

 タイトルから受けるイメージは、『死』をモチーフとしているためか少しとっつきにく感があるものの、実際曲を聴いてみるとそんな感じは一切ない。聴けば聴くほど味わいがあり、新鮮にして心地よく筆者の耳に入ってくる。

  最近になって、初めて耳にする組曲の中では最も印象に残った作品。

  組曲は<1.時の逝く/2.家居に/3.鎮魂の呪/4.死は安らかである/5.春の日>の5曲で構成されている。

  この作品はもともと混声合唱の組曲だが、慶應義塾ワグネル・ソサィエティー男声合唱団の委嘱を受けて、男声合唱版が上田真樹さんにより編曲され、同団第139回定期演奏会(2014.11.22)で初演を果たしている。


  パナムジカはこの作品を以下のとおり的を得た紹介しているのでそのまま転載する。

・・・第18回朝日作曲賞を受賞し、作曲者が広く知られるきっかけとなった作品の男声合唱版。
  林望の書き下ろしの詩「鎮魂十二頌」からの5篇をテキストにしたこの作品は、作曲者自身が友人の死をきっかけに作曲されたもの。「誰か特定の人のためのレクイエムではなく、何か特定の宗教のためのレクイエムでもない。死を悼むレクイエムではなく、温かい気持ちで死者の魂と心を通わせられるようなレクイエム。すべての人がどこか懐かしく思えるような、無宗教レクイエム」(作曲者)。・・・


  ところで、レクイエムといえば、モーツァルト、フォーレ、ヴェルディが有名だが、これらを想像してはいけない。また「男声合唱及びオーケストラのための『レクイエム』」という男声合唱の不朽の名曲として知られる通称“三木稔のレクイエム”というのがあるが、これは“いかにも感”大有りで筆者にはしっくりこない。失礼ながら、聴いているのがしんどくなる。この『鎮魂の賦』はまったく別物。いわゆるレクイエム感をまったく感じさせないのが良い。

  ついでに言わせてもらうと、レクイエムという名称がつくものであれば、YouTubeに<千原英喜/混声合唱のための「レクイエム」―人麻呂と古代歌謡、ミサ典礼文による― より 「III. 相聞」>がアップされている。この「III. 相聞」を聴く限りなかなか斬新な作品だ。

  指揮:当間修一/合唱:大阪ハインリッヒ・シュッツ室内合唱団
  https://www.youtube.com/watch?v=76zDt2J3uNQ


■作曲者:上田真樹さんのこと■

  1976.6.4生れ。東京藝術大学音楽学部作曲科卒業。代表作に男声合唱組曲『終わりのない歌』(詩:銀色夏生)、男声合唱とピアノのための組曲『夢の意味』(詩:林 望)、男声合唱組曲「そのあと」、『酒頌』(詩:林 望)などがある。『終わりのない歌』※はVery Good。

  余計な一言になるが、写真を見るかぎり上田真樹さんはなかなかの知的な印象の美人ですよ。

※男声合唱組曲『終わりのない歌』
  https://www.youtube.com/watch?v=O47Bpb7tVUA
  早稲田大学グリークラブ 第59回定期演奏会((委嘱初演)) 東京文化会館大ホール2011.11.27
  作詩:銀色 夏生 作曲:上田 真樹 指揮:高谷 光信 ピアノ:塩見 亮
  1.光よ そして緑 2.月の夜 3.強い感情が僕を襲った 4.終わりのない歌 5.君のそばで会おう


■“鎮魂の賦”の意味■

 鎮魂は理解できるが“賦”に関してはよくわからなかったので筆者なりに調べてみた

***“鎮魂”とは
“鎮魂”とは言うまでもないが人の魂を鎮めることであり、今日では「鎮魂」の意味は死者の魂(霊)を慰めることとなっている。

***“賦”とは
  一方、“賦”というのは、ウィキペディアでは「賦(ふ)とは、古代中国の韻文における文体の一つ。唐の詩や宋の詞などと並び、漢帝国を代表する文芸である。」としているが、どうも筆者にはピンとこない。別途「西洋においては賦に類似するものとして頌歌が挙げられる」との一文があり、これが一番しっくりとくる。
 では、“頌歌”とはどういう歌なのだろう。

◆“頌歌”とは

「大辞林 第三版」の解説がわかりやすいので引用させてもらう。
・神の栄光・仏徳・人の功績などをほめたたえる歌。オード※。

※オード:
1 崇高な主題を多く人や事物などに呼びかける形式で歌う、自由形式の叙情詩。頌歌?(しょうか)?。頌賦?(しょうふ)?。
2 古代ギリシャ劇で、合唱するために作られた詩歌。

「精選版 日本国語大辞典」の解説では、
① ほめたたえてうたうこと。仏教や人の功徳・功績などを礼讚してうたうこと。また、その歌。
② 神の栄光をほめたたえる歌。
  としている。

  頌歌の一例としては、ベートーヴェンの交響曲第9番に使われたフリードリヒ・フォン・シラーの頌歌『歓喜の歌』が最も有名であり、パーセル、ヘンデルらの『聖セシリア祝日の頌歌』などがある。
「大地讃頌」の“讃頌”も同じ意味になるのであろう。


■「男声合唱とピアノのための組曲『鎮魂の賦』」

  慶應義塾ワグネル・ソサィエティー男声合唱団 第139回定期演奏会 2014.11.22
    指揮:佐藤正浩 ピアノ:前田勝則

   https://www.youtube.com/watch?v=ko3-56hMUfo (1.時の逝く)
  https://www.youtube.com/watch?v=eEqlZTxAXqE (2.家居に)
    https://www.youtube.com/watch?v=spubYPajehI (3.鎮魂の呪)
    https://www.youtube.com/watch?v=dG_Z9qrzRwE (4.死は安らかである)
    https://www.youtube.com/watch?v=0fBOSTx6Pf4 (5.春の日)


  ≪おわり≫
 

10/3・10/10練習報告

 投稿者:五十嵐  投稿日:2020年10月11日(日)20時04分55秒
返信・引用
  今回はまとめての報告です。
10/3はAグループの、
10/10はBグループの練習でした。

練習曲:A・Bグループ同内容です
①念ずれば花ひらく(男声合唱組曲『二度とない人生だから』より1曲目)
②水色のワルツ(『昭和浪漫』より)
③喜びも悲しみも幾歳月(『昭和浪漫』より)
④両国(タダタケ1曲目)

次回はAグループの練習です。
練習予定曲目:
男声合唱組曲『二度とない人生だから』より
「こおろぎ」
「二度とない人生だから」

『昭和浪漫』より
「夜明けのうた」
「昴」

以上の4曲を予定しています。
よろしくお願いいたします。
 

9/26練習報告

 投稿者:五十嵐  投稿日:2020年 9月28日(月)00時05分5秒
返信・引用 編集済
  Bグループの練習でした。

練習曲:先週のAグループの練習と同じ内容です。
①「長崎の鐘」(昭和浪漫から)
②「湖畔の宿」(昭和浪漫から)
③「ころおぎ」(タダタケ2曲目)
④「柑子」(タダタケ3曲目)*1回通しのみ
⑤「両国」(タダタケ1曲目)*「灘の美酒」から最後までを繰り返し練習しました。

次回10/3は、Aグループの練習です。
・男声合唱組曲「二度とない人生だから」
・「昭和浪漫」
を中心に練習を進めます。
よろしくお願いいたします。

今年の10/3は、本来ならば第15回演奏会の開催日でした。
悔しいですが、現下の状況では致し方ありません。
いつか全員で本番に乗ることを想いながら、アンサンブルを重ねていきたいです。
 

9/19練習報告

 投稿者:五十嵐  投稿日:2020年 9月22日(火)19時02分20秒
返信・引用
  Aグループの練習でした。

練習曲:
①「長崎の鐘」(昭和浪漫から)
②「湖畔の宿」(昭和浪漫から)
③「ころおぎ」(タダタケ2曲目)
④「柑子」(タダタケ3曲目)*1回通しのみ
⑤「両国」(タダタケ1曲目)*1回通しのみ

次回9/22は、Bグループの練習です。
Aグループと同内容の練習をします。

10/3の練習からは、
・男声合唱組曲「二度とない人生だから」
・「昭和浪漫」
を中心に練習を進めます。

よろしくお願いいたします。
 

<一筆投稿その35>「男声合唱 昭和浪漫」より③

 投稿者:baritono / wai  投稿日:2020年 9月14日(月)15時53分22秒
返信・引用
  ■■「夜明けのうた」 昭和39年(1964)■■

  作詞:岩谷時子(1916-2013) 作曲:いずみたく(1930-1992) 歌:岸洋子(1935-1992)

  岩谷時子の詩にいずみたくの抒情的なメロディ。そして、岸洋子の素晴らしい歌声。多くの日本人の心に響き、どれだけ聴く者に安らぎを与えてくれたでしょうか。間違いなく「夜明けのうた」はずーっと歌い継がれる名曲です。

  元々「夜明けのうた」は、昭和38年(1963)に日本テレビドラマ『ぼうや』(主演:坂本九)の主題歌「夜明けの唄」として坂本九がレコーディングしていましたが、なぜかヒットしなかったようです。その後、労音の公演で岸洋子が歌って好評を博し、第6回日本レコード大賞では歌唱賞を受賞しています。そのとき同時に作詞者の岩谷時子は作詩賞を受賞している。

 もう少しエピソードを紹介させてもらいます。

 坂本九のシングルでは先述のとおり「夜明けの唄」と表記されていますが、これは働く少年を勇気づける歌という意味合いがあったそうです。一方、岸洋子の「夜明けのうた」は「~夜明けのうたよ“僕”のこころの・・・」の“僕”を“あたし”と置き換えて歌ったことにより、勤労少年の歌が、格調高いラブソングに変わったとのことです。

  1965年には、本楽曲を映画化した同名の歌謡映画が浅丘ルリ子の主演により日活から公開され、もちろん岸洋子の歌唱が主題歌として使用されました。

  なお、岸洋子本人の出身地である山形県酒田市にあるJR東日本(東日本旅客鉄道)羽越本線の酒田駅で、列車がホームに接近するとき、この曲がホームで流れるメロディ(接近メロディ)に使用されています。

  私事になりますが「夜明けのうた」を歌ったり聴いたりしますと、筆者がずいぶん昔、城東中学校に通っていたころ、メリー先生という音楽の教師がガリ版で刷った「夜明けのうた」で教えてもらったことがつい最近のように思い起こされます。筆者はその頃からこの歌のファンです。


  岸洋子さんが歌う「夜明けのうた」です。聴き惚れます。そして癒されます。
  https://www.youtube.com/watch?v=pcl_KIcQHg4

  男声合唱団アンサンブル・レオーネ
  https://www.youtube.com/watch?v=3BqScqY693w



■■「昴」 昭和55年(1980)■■

  作詞・作曲・歌:谷村新司(1948-)

  いまさらながら筆者の駄文でこの歌を紹介するまでもないのですが・・・。

『昴』は、1980年4月1日に発売された谷村新司の代表曲の一つ。ソロ歌手としては自身最高60万枚の大ヒット曲となりました。
  歌詞の雄大なイメージと歌いやすいメロディのため、国内のみならず、「北国の春」と並んで東アジア各国の人びとにも愛唱されているという歌曲です。


  以下に「すばる」・『昴』に関わるエピソードをいくつか紹介させてもらいます。

・「すばる」は、プレアデス星団の和名でおうし座にある数百個の星々が集まった散開星団のことでして、6個の明るい星は肉眼でも見るようです。(筆者は見たことはないが)
  ちなみに、プレアデスの名は、ギリシャ神話に登場する巨人アトラスと妖精プレイオネの間に生まれたプレアデス7人姉妹を指しています。

・「すばる」は「統(す)べる」が転訛したもので、6つの星が糸で統べたように集まった状態を表したもの、とするのが定説になっているようです。また「統べる」には「統治する、統率する」という意味もあることから、「王者の星」とも呼ばれています。

・また「すばる」の名は、平安時代の女流作家清少納言が書いた随筆「枕草子」(ものづくしのなかの「星は」の条)につぎのように登場しています。

「星は すばる(昴) ひこぼし(彦星) ゆふづつ(太白星) よばひ星 すこしをかし 尾だに なからましかば まいて・・・」

  清少納言が夜空に見える星の中で、美しいと思ったものを並べたものです。
  彦星はお馴染みの七夕のひこぼし、太白星は宵の明星金星、よばい星は流れ星のこと。

 ということで、「すばる」は外国語のような響きがありますが、れっきとした日本語なのです。


・『昴』は、オリコンでは1980年4月14日付チャート16位で初登場。その後、14位→14位→9位→7位→4位→3位→3位→3位→3位と上昇し、6月23日付と30日付チャートで最高位の2位を獲得。ちなみに1位を阻んだのは当時10週連続1位を獲得していたもんた&ブラザーズの『ダンシング・オールナイト』でした。

・1980年(昭和55年)、スーパーニッカのCMソングとして『昴』が採用されています。谷村新司さんが単身アメリカへわたった時の心境と、さまざまな困難に立ち向かいながら理想のウイスキー作りを目指した竹鶴政孝さん(ニッカウヰスキーの創業者)の心境とが重なってこの歌ができたそうです。

・2014年1月に発売された自著『谷村新司の不思議すぎる話』(マガジンハウス)では、『昴』の紹介をこのように載せています。
・・・あの名曲『昴』はまさに天からの導きだった。ある日、突然、宇宙からの啓示として降りてきたのだった。そして、ミステリアスな歌詞は、人類の未来を予言するテキストだった!音楽家・谷村新司が、はじめて明かす神秘に満ちた『昴』誕生の出来事。・・・
  要するに「昴」の詩はプレアデス星団からのメッセージをキャッチして書いたそうですよ???


東京 Liedertafel Silvaner※ (2016.12.25台湾 台北中山堂にて)
  https://www.youtube.com/watch?v=arfPLlR_-6M
※「男声合唱団 東京リーダーターフェル1925」のOBとシニアメンバーの有志によって、1995年に設立された合唱団。


≪おわり≫
 

9/12練習報告

 投稿者:五十嵐  投稿日:2020年 9月12日(土)22時26分1秒
返信・引用
  練習曲:
①市場所見(タダタケ終曲)
②柑子(タダタケ3曲目)2回通したのみ
③夏は来ぬ
④里の秋

次回9/19の練習(Aグループ)では、
①「ころおぎ」(タダタケ2曲目)
②昭和浪漫から2曲(曲目は未定です)
③雪の降る街を
を練習します。

練習場所はルーテル教会です。
よろしくお願いいたします。
 

レンタル掲示板
/60